本学会について


日本シェルターメディスン学会について

本学会の目的は、シェルターメディスンに関する教育・研究を推進し、もってシェルターメディスンの普及拡大、地域社会の安全及び動物福祉の向上を図ることを目的とします。

また、家族がいない動物を生み出さない仕組みを作るとともに、家族がいなくなってしまった動物を、健全に飼養管理し、新しい家族を見つけることを目指します。

そのために、日本で初めて科学的知見を基に犬や猫の集団飼養の動物管理ソフトを開発し、繁殖現場やシェルター等にいる動物達が健康に、安心して暮らせるような仕組みを考えます。また、やむを得ず家族を失ってしまった動物達を、安全に一時緊急保護できる場所を整備し、いち早く、譲渡する取り組みを構築します。

私達は、家族のいない犬や猫の問題を根本から検証し、その予防・対応策、犬や猫を適正に管理するためのツール開発、治療や譲渡、施設の適正管理や適正スタッフの育成・管理・資格制度導入などの取組みを通じて、不幸な動物を1頭でも多く減らすことを目標とし、これからも日本の動物福祉の向上に向け活動を継続してまいります。

​​シェルターメディスンとは?

​「シェルターメディスン」、きっと日本では聞きなれない言葉かと思います。「シェルターメディスン」を日本語に訳すと「動物収容施設に関わる伴侶動物の群管理に関わる獣医療」となります。

「群管理」は、動物が個体ではなく「群」で存在する場所(=シェルター)を意味し、メディスンとは「医療」を意味します。つまり、一般家庭で飼養される伴侶動物に対する獣医療とは異なる環境で動物を保護・管理するという考え方・手法です。

動物虐待、多頭飼育崩壊、飼育放棄、災害など…、さまざまな理由で伴侶動物であるはずの犬や猫は家族を失い、シェルターに収容されることがあります。また、日本国内で地震などの災害が起きた時に、人間だけでなく環境をともにする動物も被災します。

災害時の被災動物の管理にもシェルターメディスンは活用でき、大学では、行政と地域防災の取り組みを進めています。シェルターメディスンは地域の様々な動物問題に対応する新しい獣医療です。